食肉脂肪の各種処理による変化に関する研究(第1報) : 牛脂肪におけるラクトンの存在について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
牛脂肪の加熱風味成分としてのラクトンの存在を確かめるため,新鮮牛脂肪をそのまま水蒸気蒸留で,また,牛脂肪を加熱した後,水蒸気蒸留法あるいは有機溶媒抽出法で,ラクトン含有区分の分画を試み比較検討した.抽出物からカルボニル化合物等の中性物質,脂訪酸を除去して精製していった結果,桃に似た香気をもつ区分が得られた.この区分は赤外線吸収スペクトルのグラム上, 1775と1735〜1750cm-1に吸収をもち,これがγとδ-ラクトンによるものであると考えられた.さらに,この区分と合成δ-C10ラクトンを用いて,ペーパークロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーで比較検討したところ,δ-C10ラクトンが牛脂肪中に存在すると考えられた.このδ-C10ラクトン以外に,おおよそ4つ以下のラクトンが存在すると思われる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- 食肉の燐脂質に関する研究 : III. 子牛の筋肉別燐脂質組成と総燐脂質の脂肪酸組成
- 食肉の燐脂質に関する研究 : VIII.燐脂質の存在下におけるカルボニル化合物の反応(その1)燐脂質と飽和アルデヒド混合物の加熱により生成するα,β-不飽和アルデヒドについて
- 食肉の燐脂質に関する研究 : VI. 加熱による牛肉燐脂質の脂肪酸およびアルデヒド組成の変化
- 食肉の燐脂質に関する研究 : V. 加熱による牛肉燐脂質の組成変化
- 定常熱伝導系の微生物学への応用(第1報) : 温度勾配培養装置の設計
- チーズの風味成分に関する研究 : IX. Aspergillus oryzae chosen Bによって乳成分から生ずる揮発性カルボニル化合物の生成経路
- チーズの熟成に関する研究 : III. 熟成チーズ内ペプチドの分離とその構成アミノ酸
- 定常熱伝導系の微生物学への応用(第4報) : 乳用乳酸菌の生酸至適温度の検定とその応用
- 定常熱伝導系の微生物学への応用(第5報) : 温度勾配法による乳用乳酸菌の高温耐性の検定
- 非エステル化低級脂肪酸のガスクロマトグラフィー
- 肉製品中に存在する長鎖状の2, 3-dialkyl acroleinについて
- ホスファチジルエタノールアミンの存在下における飽和アルデヒドのアルドール縮合
- 各種処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第10報) : κ-カゼインの加熱変化
- 各種処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第8報) : 牛乳の冷凍によって生じた不溶化カゼインの性質と不溶化の機構について
- 各種処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第9報) : Zittleらの尿素-硫酸法によるκ-カゼインの調製法と,分離したκ-カゼインの2, 3の性質について
- 各類処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第6報) : カゼイン溶液の加熱によるゲル濾過溶出曲線とシアル酸含量の変化
- 食肉脂肪の各種処理による変化に関する研究(第1報) : 牛脂肪におけるラクトンの存在について
- 各種処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第1報) : 尿素含有緩衝液を使用したカゼインのチゼリウス電気泳動法
- ガスクロマトグラフィーによる本邦産牛乳脂肪の脂肪酸組成に関する研究(第6報) : 日本全国のバター脂肪の平均脂肪酸組成とその統計的解析
- 食肉脂質の脂肪酸組成に関する研究(第2報) : 食肉脂質のC1〜C12の脂肪酸組成
- 食肉脂質の脂肪酸組成に関する研究(第1報) : 豚,牛と緬羊脂質の脂肪酸組成
- ガスクロマトグラフィーによる本邦産牛乳脂肪の脂肪酸組成に関する研究(第3報) : ガスクロマトグラフィーによる高級脂肪酸メチルエステルの相互分離
- 微生物による脂肪の酸化
- 脂肪エマルジョンの皮膜形成に関与できる牛乳蛋白質について
- 食肉の燐脂質に関する研究 : II. 肥育をとくに行なわない牛および肥育牛の筋肉の各種脂質の脂肪酸組成
- 食肉の燐脂質に関する研究 : I. 各種家畜の筋肉の燐脂質組成
- チーズの熟成に関する研究-4-
- チーズの熟成に関する研究-1-
- チーズの熟成に関する研究-2-
- 牛乳蛋白質の有効性リジンについて-1-
- チーズの風味成分に関する研究-1-
- 乳製品のアミノ・カルボニル反応に関する研究-15-