食肉の燐脂質に関する研究 : I. 各種家畜の筋肉の燐脂質組成
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概要
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DAWSON法による燐脂質の定量条件を若干検討し,この方法に従つて,琢,羊,特に肥育意ない牛および肥育牛の咬筋,背最長筋および大腿二頭筋について各々3例ずつ燐脂質の定量を行なつた.その分析結果について統計的考察を行ない,次のような諸点を明らかにした.1. DAWSON法で燐脂質を定量するにあたり,東洋ロ紙No.51Aは酢意酸処理をしないでも十分適用できる.2. 筋肉中の燐脂質は特定の動物および部位において,脂質量に関係なく,それぞれの筋の生理機能に応じて必要量の燐脂質を含むものであろうと考えられ,家畜間では羊の筋肉に多く,また同一家畜の肉間では咬筋に最も多く含まれている.3. 燐脂質組成を豚,羊および特に肥育しない牛の肉について分析した結果,家畜間において羊の筋肉中には他種家畜の同種筋肉中と異なつた組成がみられ,また同一家畜内の各筋肉間においては咬筋に他部位の筋肉と異なつた組成がみられた.また,特に肥育しない牛と肥育牛の肉についての分析の結果,ほとんど個々の燐脂質全部において肥育牛に特に肥育しない牛とは異なつた組成をもつ傾向があるが,特にプラズマローゲンは肥育牛にほとんど含まれておらず,これは肥育により起つた燐脂質の組成変化のうち最も注目すべき点であつた.
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