定常熱伝導系の微生物学への応用(第4報) : 乳用乳酸菌の生酸至適温度の検定とその応用
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概要
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定常熱伝導下に設定した温度勾配培養装置の応用例として,乳業に用いるスターター乳酸菌の生酸適温を検定し,この数値を乳酸発酵製品の製造管理に応用する可能性をに検討を加えた.供試乳酸菌3種の生酸適温は,温度勾配培養下の寒天培地に生ずるpH指示薬の変色位置によって検定でき,種々の培養温度下の生酸量を比較する従来の検定法の結果とほぼ一致した.また,この生酸適温はメチレンブルーの還元開始位置によって判定した発育適温の値と明らかに異なっていた.ヨーグルトを迅速に製造するための最適培養温度は,ブロムクレゾールグリーンを含む寒天培地を用いた温度勾配培養によって容易に検定でき,実際の製造管理における適温の設定に応用できた.また,ホエーから乳酸を製造する場合の最適温度条件も,ブロムフェノールブルーを用いる同様な方法によって検定でき,発酵乳製品の代謝生産性に関する適温の検定にも広く応用の可能性を含んでいる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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