定常熱伝導系の微生物学への応用(第5報) : 温度勾配法による乳用乳酸菌の高温耐性の検定
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概要
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液体の上下方向に定常熱伝導を与えた温度勾配槽を用い,一定量の菌液を含む寒天培地入り培養管を槽内に垂直に立てることによって,微生物を熱にさらすための一連の加熱温度条件を同時に得ることができる.したがって,目的とする微生物と寒天培地を含む培養管を温度勾配方式で種々の所定時間加熱処理後,その微生物の適温付近で培養し,発生する集落帯または指示薬の変色帯の限界点に相当する温度を検定することによって,その微生物の熱死滅点,熱死滅時間曲線, z値などの耐熱性または高温耐性の特性を簡易迅速に求めることができる.このような温度勾配法による耐熱性の表現について,乳用乳酸菌を供試菌として従来の耐熱性検定法と比較検討し,また,本法に基づく熱死滅点の意義および検定におよぼす影響要因を検索した.それらの結果から,温度勾配法による高温耐性検定の有用性が認められた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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