各種処理による牛乳カゼインの変化に関する研究(第10報) : κ-カゼインの加熱変化
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概要
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κ-功ゼイン溶液を加熱した場合の変化について調べ,次のような結果を得た. (1) κ-カゼインを単独で加熱した場合には, 110°C 30分以上の加熱によってデンプンゲル電気泳動図に変化が認められるようになるが, 5%のラクトースを含む場合には100°C, 30分の加熱によって変化する. (2) 7M尿素および2-メルカプトエタノールを含んだ緩衝液を用いてのSephadex G-200によるゲル濾過溶出曲線は,加熱温度の上昇にともなって主なピークの溶出範囲が拡がり,ピークが平担化する. (3) 加熱によるNPNおよび遊離のシアル酸量は,加熱温度の上昇とともに増加するが, NPN結合型のシアル酸量は, 110°C以上の加熱では,温度によってあまり変動しない. (4) κ-カゼイン溶液を90°C付近で加熱した場合のκS-カゼインに対する安定化力の低下は,とくにNaClなどの塩類を添加した場合,顕著に現われることが確認された.β-ラクトグロブリンを添加しても,安定化力がとくに低下することはなかった. (5) κ-カゼインの加熱による変化は,一般に加熱温度の上昇とともに顕著となるものであり,レンニン作用による場合のような特徴ある変化は示さない.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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