野草メタノール抽出物のメタンチオールに対する消臭効果
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概要
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野草 (17科42種) を対象として, 悪臭指標物質の一つであるメタンチオール (CH3SH) に対する消臭力の有無を検索し, さらにその消臭力の比較検討を行った。野草から得られたメタノール抽出物5mgについて, ヘッドスペースガスクロマトグラフ法によりCH3SHに対する消臭率を求めた。その結果, 約1/3の14種の野草に, 銅クロロフィリンナトリウム (SCC) よりも高い消臭力が認められた。特に消臭率100%を示した野草は, オニアザミ, カワラヨモギ, タカサブロウ, ヒメジョン, カキドオシ, オオニシキソウ, キジムシロの7種類であった。これら7種の野草抽出物の中でも, タカサブロウはSCCの24倍, オニアザミ14倍, オオニシキソウ7倍, カワラヨモギが6倍となる高い消臭力であった。これらの野草が消臭性植物であるという報告はこれまでのところ見あたらない。したがって, これらの野草は新しく消臭効果の期待できる素材であることが示唆され, 今後その作用に寄与している成分の同定が必要と考えられる。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
- 2003-02-10
著者
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安本 教傳
椙山女学園大学生活科学部
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灘本 知憲
滋賀県立大学人間文化学部生活栄養学科
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浦部 貴美子
滋賀県立大学人間文化学部
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古谷 雅代
滋賀県立大学人間文化学部生活文化学科
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田中 有花里
滋賀県立大学人間文化学部生活文化学科
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安本 教傅
椙山女学園大学生活科学部
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安本 教傳
椙山女学園大学
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安本 教伝
京都大学食糧科学研究所
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浦部 貴美子
滋賀県短大
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灘本 知憲
滋賀県立大学 人間文化学部 生活文化学科
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