クルクミン類の光安定性に及ぼす溶存酸素の影響

概要

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クルクミン類(クルクミン(I)、デメトキシクルクミン(II)、ビスデメトキシクルクミン(III))の光安定性に及ぼす溶存酸素の影響を調べたところ、以下のような結果が得られた。1)試薬クルクミンでは、その溶液をあらかじめアルゴンガスで通気処理した場合の方が、酸素ガスで通気処理した場合より、光照射に対して不安定であった。このことから、溶存酸素が光安定性に関与していることが示唆された。2)個別に光照射するため、I、II、IIIを単離した。極大吸収波長はそれぞれ、425nm、422nm、418nmであり、メトキシル基の数が増加するに従い長波長にシフトした。3)II及びIIIの光照射後には、前報で報告したIの場合と同様な、環状化合物が検出された。さらに、IIを光照射した場合には、分解物としてp-hydroxybenzoic acid、p-hydroxybenzaldehyde、p-coumaric acidが、IIIからはIIの光照射後に見られた3化合物に加え、vanillic acid、vanillin、ferulic acidが検出された。
日本食品化学学会の論文
1998-11-30