専門教育における情報教育の役割 : 主に工業教育と大学教育のカリキュラムについて

概要

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高等学校における専門教育,特に工業高校における職業教育と大学普通教育の両者の情報教育のカリキュラムの関連性を,教職専攻の情報教育を参考にしながら,また,専門高校と情報関係教科の戦後の教育課程変遷を踏まえ,授業内容を調査して分析・検討した。その結果,具体的には専門高校情報の技能,知識・理解,情報活用面について,検定等の資格取得という技能面にウエイトのある授業が行われるが,情報の収集・整理やプレゼンテーションといった情報活用面,情報倫理,そして創造性の教育不足が認められた。今後,指導時数と生徒の実態や地域性を考慮し,情報活用面と創造性育成と併せて,基礎・基本の充実をまずはかることが大切である。このことは,普通教科「情報」と専門教科「情報」が,高校での種々の進学や就職先での情報活用面を考慮した,系統的なカリキュラムと指導のバランスを考えなければならないことを示唆している。また,大学普通情報教育と情報専門教育の目標とカリキュラムは,普通高校「情報」では情報リテラシーと情報活用能力を,専門高校「情報」では技能と創造性を,それぞれカリキュラムの中に関連づける必要がある。
流通経済大学の論文