牛筋肉のテンシプレッサーによる硬さの測定

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食肉の硬さを客観的かっ迅速に少量の試料で測定するために,16頭の牛から7筋肉(胸最長筋,腸腰筋,中殿筋,大腿二頭筋,半膜様筋,半腱様筋,腓腹筋)を使用し,テンシプレッサーによる切断応力の測定を試みた.これらの筋肉の生および加熱肉の硬さの測定と同時に,一般成分,WarnerBratzler法による切断力価および官能検査を実施した.測定には底面積が異なる5種類の円柱状のプランジャーを使用したが,初期切断応力は底面積が0.10cm2のものが最も大きかった.加熱は70°C,約15分の条件でそれぞれの筋肉の硬さが一定値を示し,テンシプレッサーによる初期切断応力はクリアランスに影響を受けることなく測定できた.官能検査の軟らかさとWarner-Bratzler法による切断力価との相関係数が-0.69と最も高く,テンシプレッサーによる切断応力価との相関係数は加熱肉で-0.65および生肉で-0.42であった.筋肉によって測定値が異なり,脂肪含量が多くなるにしたがって軟らかくなる傾向が見られた(r=0.59).いずれの測定値においても最も軟らかい値を示したのは腸腰筋で,最も硬かったのは半腱様筋であった.生肉と加熱肉との切断応力価における相関係数は0.40であった.テンシプレッサーを使用することにより少量の試料で簡便かつ迅速に食肉の硬さを測定できることが明らかとなった.
社団法人日本畜産学会の論文

牛筋肉のテンシプレッサーによる硬さの測定

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