屠殺直後および屠殺24時間後の加温処理が豚筋肉の品質特性におよぼす影響
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概要
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屠殺直後および屠殺して24時間後の豚筋肉を40°Cで加温した場合,その品質におよぼす影響がどのように異なるかを8頭の豚を供試して比較検討した.屠殺直後の枝肉から採取した左右2本の胸最長筋をそれぞれ4等分し,ポリエチレン袋に真空包装した後,片側の胸最長筋の3試料を屠殺後できるだけ速やかに40°Cの恒温槽で2,4,6時間加温し,0〜3°Cで放冷した残りの1試料を対照とした.対側の胸最長筋については0〜3°Cで放冷後,屠殺24時間後に3試料を周辺部温度が30°Cに達してから40°Cの恒温槽で2,4,6時間加温し,加温しない残りの1試料を対照とした.これらの試料はいずれも1晩放冷してからpH,色調,保水力,伸展率,トランスミッション値およびミオシンBの抽出性を測定した.屠殺直後の試料は加温2時間で色調,保水力,ミオシンBの抽出性で代表される品質が対照試料に比べて急激に低下し,加温4時間でそのトランスミッション値,伸展率が重度のPSE筋と同程度以上に劣化した.他方,屠殺24時間後の試料は,加温4時間で品質が低下し始め,加温6時間で屠殺直後の試料を2〜4時間加温したときの中間的な品質を示し,屠殺24時間後の試料は屠殺直後の試料に比べて品質が劣化するのに約2倍の時間を要した.加温処理した筋肉の保水力は,屠殺直後の試料で2時間,屠殺24時間後の試料で4時間の加温であれば,0.5%以上の高濃度のピロ燐酸塩の添加により回復した.
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