黒毛和種,褐毛和種およびホルスタイン種経産牛の枝肉構成と筋肉分布について

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黒毛和種(15頭),褐毛和種(7頭)およびホルスタイン種(8頭)経産牛の枝肉構成および筋肉分布について調査した.屠殺月齢を一定にした屠殺前体重の最小自乗平均値は黒毛和種,褐毛和種およびホルスタイン種で,それぞれ486.6,611.2および598.4kgであり,枝肉歩留りの平均値は62.0,63.7および55.7%であった.ホルスタイン種の枝肉歩留りは黒毛和種および褐毛和種と比較して有意に小さかった(P<0.01).枝肉構成割合について,黒毛和種,褐毛和種およびホルスタイン種の赤肉:脂肪:骨の比はそれぞれ56.4:30.5:12.4,54.3:33.9:12.1および64.9:16.8:17.8で,黒毛和種と褐毛和種のそれは非常に類似しており,両品種間で統計的に差は認められなかった.しかし,ホルスタイン種は他の2品種と比較して赤肉および骨の割合が有意に大きく(P<0.01),脂肪の割合が有意に少なかった(P<0.01).標準筋肉重量の分布について黒毛和種と褐毛和種ではなんら統計的に差はなかったが,ホルスタイン種とこれらの2品種間では,後肢遠位部(P<0.01),前肢近位部(P<0.01),前肢遠位部(P<0.05)および胸部前肢帯筋と前肢下の躯幹部(P<0.05)で有意差が認められた.また,脊椎周辺部は黒毛和種とホルスタイン種間で有意差があった(P<0.01).後肢近位部,脊椎周囲部および前肢近位部を合計した上肉グループの割合は3品種間で差はなかった.胸腰最長筋の全筋肉重量に占める割合は,黒毛和種,褐毛和種およびホルスタイン種で,それぞれ7.7,7.2および6.6%であった.
社団法人日本畜産学会の論文

黒毛和種,褐毛和種およびホルスタイン種経産牛の枝肉構成と筋肉分布について

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