PCR法を用いた牛K-カゼイン遺伝子型の分析
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概要
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牛のκ-カゼイン遺伝子の多型を検出するため,その部位を含む領域をPCR (Polymerase Chain Reaction)法で増幅し,制限酵素で切断することによって2種類の遺伝子型(A型,B型)を同定した.試料としたゲノムDNAは牛の凍結精液または肝臓から調製し,その200ngをテンプレートとした.PCRは1ユニットのTth DNAポリメラーゼを用い,93°1分,60°1分,72°1分の反応を35同繰り返した.センスプライマーは第9エキソンの先頭部分で24merのオリゴヌクレオチド(5CGCTGTGAGAAAGATGAAAGATTC3)を用い,アンチセンスプライマーは第4イントロン内の26mer(5AGATTCAAGGAGTATACCAATTGTTG3)を用いた.この反応によって得られた780bpのDNAフラグメントをTaq I,Hind III, Pst Iの3種類の制限酵素で切断し,K-カゼイン遺伝子型の判定を行なった.分析は25頭の黒毛和種,20頭のホルスタイン種,10頭のヘレフォード種,6頭のアバーデンアンガス種について行なった.その結果,3種類の制限酵素によって識別される3カ所の塩基置換は完全に連鎖しており,部分的に交差している個体の存在は認められなかった.B型の遺伝子頻度は分析した全ての品種で低く(0.08-0.20),品種による大きな違いは見られなかった.分析した61頭の遺伝子型はAA型43頭,AB型16頭,BB型2頭であった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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小堤 恭平
農林水産省畜産試験場
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千国 幸一
農林水産省畜産試験場
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陰山 聡一
北海道立新得畜産試験場
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小石川 常吉
農林水産省日産試験場
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加藤 貞雄
農林水産省日産試験場
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小堤 恭平
農林水産省日産試験場
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