発酵乳の官能的特徴と揮発性成分
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概要
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13株の乳酸菌(Lactobacillus bulgaricus 2株,L. helveticus 1株,L. jugugurti 2株,L.acidophilus 1株,Streptococcus lactis 2株,S. cremoris 2株,S. diacetilactis 2株,S. thermophilus 1株)を,それぞれ単独のスターターとして発酵乳を製造し,各発酵乳のフレーバー特性と嗜好性を試験した.さらに,これらの官能的特徴と,発酵乳のヘッドスペースガスのガスクロマトグラフィーによる分析結果との関係を検討した,官能検査の結果,フレーバーの評価が高かったS. cremoris, S. lactisの特徴はミルク臭,芳香,酸臭であり,評価が低かったL. bulgaricus, L. helveticus, S. thermophilusなどでは青くさ臭,不快臭,異臭,酸臭であった.ヘッドスペースガス分析の結果,得られた主要な揮発性成分はアセトアルデヒド,アセトン,エタノール,ジアセチルであった.そのうち,フレーバーの特徴と関係があった成分はアセトアルデヒド,ジアセチルであり,アセトアルデヒド含量が20ppmを超えたL. bulgaricus 2株,L. acidophilusの特徴は青くさ臭,アルデヒド真であり,評点も低かった.しかし,他の菌ではいずれも7ppm以下で特徴的なフレーバーとはならなかった.ジアセチルが1.5ppmを超えたS. diacetilactis 2株でジアセチル臭が感じられたが,他の菌では1ppm以下で特徴的フレーバとはならなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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