ホルスタイン個体乳中のカゼイン含量とホエータンパクとの関係
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概要
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1989年1月から11月にかけて,4地域(北海道,茨城,千葉の酪農家および農林水産省畜産試験場)の牛群から隔月毎に6回,5頭分ずつ採取した個体乳中のカゼイン含量,ホエータンパク含量を測定した.その結果,全乳タンパクに占めるカゼインの割合(カゼインナンバー,カゼインNo.)は全サンプル平均(脱脂乳)で76.7%であったが,各地域の牛乳の中には5頭平均で67.5%,71.6%,72.2%と非常に低い牛乳も存在した.カゼインNo.の低い牛乳でも全乳タンパク含量は低くはなかった.低カゼインNo.の牛乳ではβ-ラクトグロプリン(β-Lg)含量が多かった.カゼインNo.の低い牛乳ではホエータンパク中のβ-Lgのほか,プロテオ-スペプトン,γ-グロブリンが多い傾向にあった.カゼインNo.の低い牛乳ほど血液成分の影響を強く受けていると考えられた.牛乳を5°Cで1,500×g,30分遠心分離した際,カゼインの4%以上が沈殿した牛乳が多く存在した,低カゼイン含量牛乳は乳製品製造上好ましくないものであり,飼養技術面からの改善が必要と考えた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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