近赤外分光分析法によるバター成分の測定
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概要
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近赤外分光分析法のバター成分測定への適用性を検討した.農水省畜試で生産された合乳から食塩濃度を変えた(0〜約3%)バター試料48点を製造した,対照となる分析法として,水分•脂肪•無脂固形分(SNF)は減圧乾燥器を用いてのKohmanの方法の変法(但し,%SNF=%Residue-%NaCl),食塩はMohr法を採用した.近赤外分光装置として,InfraAlyzer 400(Bran & Luebbe Co.)を使用した.30点の試料でキャリブレーションを行ない,近赤外法での成分率算出のための重回帰式を求めた.残り18点の試料を用い,設定した重回帰式から,成分率の推定を行ない,公定法の分析値と比較することから,近赤外法の性能を試験した.その結果,近赤外法一公定法の相関係数は,水分:0.772,脂肪:0.962,食塩:0.989.,SNF:0.716,近赤外法一公定法の回帰からの標準偏差は,水分:0.211,脂肪:0.257,食塩:0.152,SNF:0.223%,また,近赤外法と公定法との差の絶対値の平均値は,水分:0.171,脂肪:0-279,食塩:0.163,SNF:0.185%となった.以上より,近赤外分光分析法は,バターの多成分(水分•脂肪•食塩•SNF率)分析を,良い精度で,簡易•迅速に測定しうる可能性を持つ方法であることが,明らかとなった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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