主成分分析法による振動•落下衝撃のミカン果実の揮発性物質に及ぼす影響の解析
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概要
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選果工程中に受ける落下衝撃と輸送中の振動が温州ミカン果汁のにおい (異臭) に及ぼす影響について検討した. ガスクロマトグラフによる揮発性成分の分析結果を, 主成分分析法を用いて解析し, 次の結果を得た.1. 温州ミカン果汁の揮発性成分は, 試料注入後30分以内にガスクロマトグラムに主要な10個のピークとして現れる. 各成分の中で, エタノールの占める面積が最も大きく成分全面積の80%に及ぶ. 次いで, アセトアルデヒドが大きく全面積の10%を占める.2. 落下処理された果実では, 果汁内にエタノール,アセトアルデヒド並びにその他幾つかの揮発性成分が蓄積する. 振動処理の場合も同様な傾向を示すが, 影響の度合いは落下処理ほど明確でない.3. ガスクロマトグラム上のピークP1〜P6までの6成分を変数 (特性値) として主成分分析を行った結果, 第2主成分までで80%の情報を集約できる.4. 第1主成分は, 揮発性成分の総量を, また, 第2主成分は, 成分の組成を表す要因と考えられる.5. 第1主成分と第2主成分による散布図において, 落下処理を受けた果実は, 対照区, 振動区のものと明確に区別できる. また, 落下処理を受けた果実のうち30回処理のものは, 10回, 20回のものに比較して, 揮発性成分の総量は減少する. 組成としては, 相対的にエタノールに対しアセトアルデヒドが増加する.6. 温州ミカン果汁の揮発性物質に及ぼす影響は振動処理よりも落下処理の方が大きい.
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