コンダクタンス法による発酵乳・乳酸菌飲料中の乳酸菌数の迅速測定
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概要
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Malthus 128Hを用いて, コンダクタンス法が発酵乳, 乳酸菌飲料中の乳酸菌数の迅速測定に適用できることを明らかにした. 1. 本法によりコンダクタンスの変化の検出に要する時間 (検出時間) と, 検体中に含まれる生菌数の対数との間には, 直線関係が認められた. 2. 本法では使用するコンダクタンス測定用培地の組成によって, 検出時間にかなりの差がみられたが, 今回の実験では, コンダクタンス変化の大きさ, 早さ, 安定性, 再現性の点からみて, 0.5%酵母エキス添加無脂乳固形分濃度10%脱脂乳において良好な結果が得られた。3. 7種16株の乳酸菌の純培養では, 測定しようとする試料の生菌数が高い場合, ほぼ同じ程度の短時間にコンダクタンスの変化が検出されたが, 生菌数が低くなるにつれ, 菌種ならびに菌株間で検出時間に大きな差がみられた. 4. <I>Lactobacillus bulgaricus</I>と<I>Streptococcus thermophilus</I>が共存する場合は, コンダクタンス測定用培地中での生育が, すみやかな後者の生菌数レベルによって検出時間が決定された. 5. 市販発酵乳16点, 乳酸菌飲料7点に本法を適用した結果, 発酵乳では, <I>S. thermophilus</I>が使用される場合が多いためか, 製品による検出時間の差はほとんどなく, 検体中に10<SUP>8</SUP>/m<I>l</I>の菌数があれば3時間以内の検出が可能であった. 一方, 乳酸菌飲料では, 使用菌株が多様であるためか, 菌数が10<SUP>6</SUP>/m<I>l</I>程度でも, 検出に12時間以上要する例も見られ, 製品により検出時間に大きな差が認められた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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吉田 啓子
日本大 農獣医
-
鈴木 一郎
農林水産省畜産試験場
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吉田 啓子
日本大学 農獣医
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森地 敏樹
農林水産省畜産試験場
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北田 徳蔵
農林水産省畜産試験場
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吉田 啓子
日本大学農獣医学部
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春田 三佐夫
日本大学農獣医学部
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