家畜•家禽の各種組織のα-トコフェロールと高度不飽和脂肪酸量並びにその量的関係

概要

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本研究では,ウサギ2羽,ニワトリ3羽,ブタ3頭,ウシ3頭を用いて,臓器,骨格筋および脂肪組織のトコフェロール(Toc),脂質および高度不飽和脂肪酸(PUFA)量並びにα-TocとPUFAの量的関係を分析した.供試した動物組織にはα-とγ-Tocが含有され,α-Tocが含量の大部分を占めた.ウサギおよびニワトリの組織のα-Toc含量(μg/100g)は,ブタおよびウシより高い傾向にあった.ウサギおよびニワトリの組織の中で,臓器および脂肪組織のα-Toc含量が比較的高く,それぞれ343〜1759および541〜1931μg/100gの値を示した.臓器脂質は,予測されたように,骨格筋および脂肪組織脂質に比較して高いPUFA量を含有した.PUFA g当たりの高α-Toc濃度(μmol)が脂質過酸化を受けやすい組織,特に肺と心臓で認められた.ウサギ,ニワトリおよびウシの場合,肺および心臓組織は,PUFA g当たりそれぞれ2.33〜5.46および1.43〜3.47μmolのα-Tocを含有していた.また,PUFA g当たりのα-Toc濃度は,骨格筋組織(1.16〜2.39μmol)において比較的高い傾向にあったが,脂肪組織(0.03〜0.35μmol)において最も低い値であった.
社団法人日本畜産学会の論文