タンパク質間相互作用ネットワークにおける相互作用ドメイン対の確率的選択に基づくべき乗分布のモデル化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
タンパク質間相互作用ネットワークの次数分布は、多くの生物種に対して負のべき乗則に従うことが知られている。また相互作用のモデルとしては、タンパク質の部分構造であるドメインを用いて、二つのタンパク質が相互作用するとき、かつそのときに限り、二つのタンパク質に含まれているドメイン対のうち少なくとも一つが相互作用するというモデルが提案されている。本研究ではある生物種について各タンパク質に対するドメイン組成が与えられたもとで、相互作用するドメイン対を確率的に一様選択するモデルを考察する。相互作用するドメイン対の数が少ないうちは、タンパク質間相互作用ネットワークの次数分布はべき乗則に従うが、多くなると正規分布に近い分布となることが数理的に導かれる。UniProtタンパク質データベースのヒトのドメイン組成データに適用することで、実際のデータに対してもこの現象が観測されることを確認した。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2008-12-10
著者
-
阿久津 達也
京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター:京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻
-
林田 守広
京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター
-
ナチェル ホセ
公立はこだて未来大学複雑系科学科
-
ナチェル ホセ
はこだて未来大学システム情報科学部複雑系科学科
-
阿久津 達也
京都大学化学研究所
関連論文
- 代謝ネットワークの最小反応カットを求めるアルゴリズム
- 整数計画法を用いたブーリアンネットワークの解析・制御手法(システムバイオロジー,システムバイオロジー,一般)
- 高さの制限された無順序木の編集距離問題に対する近似アルゴリズム
- 完全な透明マント(不可視装置)の数理
- 左手系メタマテリアルを用いた完全な不可視装置の構成(量子効果デバイス(光信号処理,LD,光増幅,変調等)と集積化技術,一般,材料デバイスサマーミーティング)
- 27pYF-4 負の屈折率を利用した透明マントの新しいデザイン(メタマテリアル:サブ波長構造による新奇な電磁応答,領域5,領域1合同シンポジウム,領域5,光物性)
- 27pYF-4 負の屈折率を利用した透明マントの新しいデザイン(領域5,領域1合同シンポジウム,メタマテリアル:サブ波長構造による新奇な電磁応答,領域1,原子・分子,量子エレクトロニクス,放射線物理)
- タンパク質ドメインネットワークに対する二部グラフのモデル
- タンパク質間相互作用ネットワークにおける相互作用ドメイン対の確率的選択に基づくべき乗分布のモデル化
- 分子生物情報学の現状と動向 (「分子生物情報学の新展開」)