ウニ卵の脂質に関する研究 : 第2報精巣と卵巣の脂肪酸組成の比較について

概要

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著者らは,ウニ卵の脂質に関する研究を行なっているが,今回は,精巣と卵巣の脂質含量および脂肪酸組成の比較を行なってみた。試料として,未熟エゾバフンウニと成熟エゾバフンウニを選んだ。その生殖巣を精巣と卵巣とに分別し,それぞれの全脂質,非極性脂質および極性脂質の含量および脂肪酸組成を比較分析した。結果を要約すると次のとおりである。1.全脂質の量は,未熟ウニでも成熟ウニでも,卵巣のほうが精巣よりも大きな値を示した。2.非極性脂質と極性脂質の割合は,未熟ウニでは卵巣,精巣共にほぼ同じ値であったが,成熟ウニでは卵巣よりも精巣のほうが,極性脂質の含量が高かった。3.脂肪酸組成は,未熟ウニでは卵巣と精巣の間に著しい差はみられなかったが,成熟ウニではかなりの差が認められた。4.未熟ウニよりも成熟ウニで,不飽和脂肪酸の含量が高かった。5.全般に,未熟エゾバフンウニの卵巣と精巣の間には,脂質の含量と脂肪酸組成に目立った差はみられなかったが,成熟エゾバフンウニの卵巣と精巣の間ではかなりの相違が認められた。
帯広畜産大学の論文
1971-12-15