焙焼した番茶およびコーヒー豆からの1-ニトロナフタレンおよび3-ニトロスチレンの分離とその特性

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番茶の葉(番茶)およびコーヒー豆からそれぞれ1-ニトロナフタレンおよび3-ニトロスチレンを抽出し,それらの化合物の特性について記載した。市販されている番茶およびコーヒー豆を粉砕し,クロロホルム/メタノール(1:1,v/v)で抽出した。それぞれの抽出物はケイ酸カラムクロマトグラフィーにより,シクロヘキサン/ベンゼン(1:1,v/v),ついでクロロホルムを用いて,順次溶出,分画した。各画分をケイ酸薄層クロマトグラフィーに供し(展開溶媒,シクロヘキサン/クロロホルム,1:1,v/v),低分子量ニトロPAHを単離・精製後,呈色反応,高速液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS)により同定,定量した。番茶およびコーヒー豆から得られた脂溶性物質の収量は,それぞれ6.6%および10.9%であった。脂溶性物質には多環芳香族炭化水素としてアントラセン,フェナントレン,フルオランテンおよびピレンなどが検出された他に,GC-MSの結果から,番茶の葉より1-ニトロナフタレン(32.Oppb)が,またコーヒー豆から3-ニトロスチレン(約2.Oppb)の存在が確認された。しかしながら3-ニトロスチレンは融解点(-5℃)が低いため,分離・精製段階でいくらかの損失を招いた可能性が考えられた。毒性試験については行わなかった。
1989-11-30

焙焼した番茶およびコーヒー豆からの1-ニトロナフタレンおよび3-ニトロスチレンの分離とその特性

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