生菌製剤投与によるラットの脂質代謝

概要

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Bacillus sp., Lactobacillus sp., Streptococcus sp., Clostridium sp., Candida sp., Saccharomyces sp.を米ヌカ上で混合発酵させた生菌製剤をラットに投与することにより,生体内の脂質代謝への影響について検討した。その結果,生菌製剤は糞便中のE.coli,Bacte-roidaceae等の有害微生物を減少させ,Streptococcus,Bifidobacterium,Eubacterium,Lactobacillus等の有用微生物を増加させていた。また,血清中では,生菌製剤が総コレステロール濃度,VLDL+IDL+LDLコレステロール濃度,トリアシルグリセロール濃度および遊離脂肪酸濃度を有意に減少させた。その発現機構として,肝臓中のコレステロール濃度およびHydroxymethylglutaryl coenzyme A reductase (NADPH) (EC1.1.1.34)活性の低下,Cholesterol 7α-hydroxylase活性に変化がみられなかったこと,糞便中への中性ステロール,胆汁酸の排泄増加およびin vitreにおける生菌の中性ステロール,胆汁酸に対る吸着能が高いことなどから,コレステロール合成の阻害作用および腸管からのスラロールの排泄促進作用が推察された。
1996-10-21