大学院看護学研究科修士課程における学生の学習経験に関する研究 : 修士論文作成過程に焦点を当てて
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概要
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本研究の目的は、大学院看護学研究科における修士論文作成過程の学習経験を説明する概念を創出し、修士論文作成過程の学習経験が示す特徴を明らかにすることである。研究方法には、看護教育学概念開発方法論を用いた。データは、4大学院の看護学研究科修了生16名を対象に半構造化面接により収集した。結果として、大学院看護学研究科における修士論文作成過程の学習経験を説明する次の8つの概念を創出した。それらは【I.論文作成過程の実体験に伴う研究・自己・看護・人間・指導者・指導方法の理解】【II.研究遂行に必要な研究フィールドと対象者への働きかけと協力の確保】【III.研究遂行に必要な対人関係技能、研究的態度の習得】【IV.論文作成過程における問題との遭遇とその克服に向けた多様な資源の活用】【V.研究推進と保証確保に向けた指導受け入れ】【VI.論文作成過程における人間的・学術的交流による研究の推進】【VII.修士課程における到達目標の設定と研究過程の振り返りによる目標の修正】【VIII.研究過程の自己評価による論文と自己への価値づけ】である。また、この8つの概念は、看護学研究科の学生が大学院において研究の初学者として修士論文を作成する他の学問領域の研究者とも共通し、しかも人間を対象とするフィールド研究に従事する研究者と同等な経験を累積しつつ、それに伴う学習成果を獲得すると共に、研究に対する評価基準を構築することを示唆した。
- 日本看護教育学学会の論文
- 1999-03-31
著者
-
舟島 なをみ
千葉大学看護学部 看護教育学教育研究分野
-
杉森 みど里
千葉大学看護学部
-
杉森 みど里
群馬県立医療短期大学
-
杉森 みど里
千葉大学看護学部看護教育学講座
-
望月 美知代
千葉大学大学院看護学研究科博士後期課程
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