看護基礎教育課程における看護技術教育に関する研究 : 臨床ケア場面における看護技術提供の概念化をめざして
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概要
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本研究は、看護基礎教育課程における看護技術教育について考察するために、臨床ケア場面における看護婦のケア行動を分析し、看護技術の提供を説明する概念を明らかにすることを目的とした。研究方法には、Grounded Theory Approachを参考に開発された質的・帰納的分析方法を用いた。患者と看護婦が相互行為を行っている看護ケア場面に研究者が参加観察し、得られたデータを持続比較分析を行った。その結果、386コードが抽出され、これらから48のサブカテゴリ、17のカテゴリが形成され、6のコアカテゴリが発見された。つまり、看護ケア場面において看護婦は、【I.最良のケア展開に向けた技術活用】、【II.ケア展開における効率の追求】、【III.ケア展開における患者の尊厳維持】、【IV.ケア展開時に示す患者・家族の心理状態への支援】、【V.ケア展開時に示す患者の反応に対する感情の触発と統制】、【VI.技術提供者の自己擁護】という行動を示していることが明らかになった。これらの結果から、看護ケアは援助の実践過程と情報の収集・活用過程が同時に進行している現状が明らかになり、また、看護ケアにおいて看護婦の感情に両価性が存在することが示された。さらに、看護基礎教育課程の看護技術教育においては、患者に関する情報を活用して対象に合った技術を提供するために、看護ケアを過程として捉えた統合カリキュラムの活用と教育内容の組織化の必要性が示唆された。
- 日本看護教育学学会の論文
- 1997-03-31
著者
-
野本 百合子
愛媛県立医療技術大学
-
野本 百合子
千葉大学
-
舟島 なをみ
千葉大学看護学部 看護教育学教育研究分野
-
杉森 みど里
千葉大学看護学部
-
野本 百合子
愛媛県立医療技術短期大学 第1看護学科
-
杉森 みど里
千葉大学看護学部看護教育学講座
-
野本 百合子
愛媛県立医療技術短期大学第二看護学科
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