家庭訪問場面におけるクライエントの行動の帰納的分析 : クライエントと保健婦の相互行為に焦点を当てて
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概要
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この研究の目的は,看護基礎教育課程の教育内容検討の基礎資料とするために,家庭訪問場面におけるクライエントの行動を看護学的な視点から分析しその構成要素を発見することである。研究方法は,Grounded Theory Approachを参考にして開発された質的帰納的方法を用いた。研究対象は保健婦による家庭訪問場面のうちクライエント・家族および保健婦から同意を得られた13場面である。データは,参加観察(非介入)によって収集した。分析の結果,43のサブカテゴリが形成され,これらから16のカテゴリが形成され,さらに抽象度の高い7コアカテゴリが発見された。この結果から,家庭で生活しているクライエントは,【I.原疾患に関連した問題の発生】,【II.公的サービス活用による問題の発生】,【III.問題解決のための自己対処】,【IV.保健指導受け入れによる問題の浮上と自覚】,【V.家庭訪問による心理的活性化と充足】,【VI.生活維持のための資源活用】,【VII.問題発覚に伴う家庭内プライバシーの露呈】という行動を示していることが明らかになった。このうち,【I.原疾患に関連した問題の発生】,【III.問題解決のための自己対処】というクライエントの行動は,保健婦による家庭訪問場面だけではなく,入院中の患者の行動を分析した先行研究の結果と一致する概念であり,看護ケアの対象者の行動を説明する概念として一般化が可能である。さらに,【II.公的サービス活用による問題の発生】,【V.家庭訪問による心理的活性化と充足】の行動から入院中の患者と同質性のある概念が発見された。
- 日本看護教育学学会の論文
- 1996-03-31
著者
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