看護の対象理解に関する自己評価尺度開発における初期的研究 : 質的帰納的研究成果に基づく質問項目の作成と選定
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概要
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本研究の目的は、看護の対象理解に関する自己評価尺度の開発に向けて質問項目を作成し、その中から適切な質問項目を選定することである。質問項目作成の枠組みには、質的帰納的研究の成果である患者行動を説明する5概念を用いた。本研究は、質問項目の作成と尺度化(第1段階)、作成した質問項目の内容的妥当性の検討とそれに基づく修正(第2段階)、作成した質問項目で構成した尺度を用いる調査の実施(第3段階)の3段階を経て行った。第1段階においては、質問項目に関し、成文化する形式、用いる語句と構文の表現、配置と下位尺度の構成、項目数、尺度のタイプ、選択肢の数・表現を検討した。第2段階においては、専門家会議開催による質問項目の適切性、網羅性、実践における活用可能性の検討と、その結果に基づく修正を行い、「看護の対象理解に関する自己評価尺度(予備調査版)」を作成した。この予備調査版は、患者行動を説明する5概念に対応する5下位尺度45項目から成るリッカート型尺度である。第3段階においては、予備調査版を用い、無作為に抽出した全国の病院に勤務する看護婦・士970名を対象に、郵送法による調査を実施した。この調査から得た有効回答510をデータとし、クロンバックα信頼性係数の算出及び因子分析を実施した結果は、予備調査版が、内的整合性による信頼性を確保していること、構成概念妥当性を確保していないことを明らかにした。そこで、考察においては、各質問項目を因子分析の結果に基づいて検討し、信頼性と妥当性を確保した尺度開発につながる適切な質問項目として、28質問項目を選定した。看護の対象理解に関する自己評価尺度の開発に向けて、この28質問項目で構成する尺度の信頼性・妥当性を検証することは今後の課題である。
- 日本看護教育学学会の論文
- 2000-03-31
著者
-
舟島 なをみ
千葉大学
-
定廣 和香子
群馬県立医療短期大学大学設置グループ
-
杉森 みど里
千葉大学看護学部
-
定廣 和香子
千葉大学看護学部
-
杉森 みど里
群馬県立医療短期大学
-
定廣 和香子
千葉大学大学院博士後期課程
-
川島 理恵
福島県立医科大学看護学部
-
川島 理恵
福島県立医科大学
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