教授活動自己評価尺度-看護技術演習用-の開発
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概要
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本研究の目的は,教授活動自己評価尺度-看護技術演習用-を作成し,その信頼性・妥当性を検証することである。尺度の開発は,次の4段階を経た。(1)質的研究の成果に基づく質問項目の作成・尺度化,(2)専門家会議とパイロットスタディによる尺度の内容的妥当性の検討と修正,(3)調査による質問項目の分析・選定,(4)選定項目を用いて再構成した尺度の信頼性・妥当性の検討である。調査には,看護技術演習を展開する教員の行動を表す10概念に基づき作成した10下位尺度70質問項目からなる5段階リカート型尺度を用いた。対象は,無作為に抽出した看護職養成教育機関300校のうち,教育管理責任者が研究協力に承諾した179校に所属する教員1296名であった。質問紙回収数は607部(回収率46.8%)であり,このうち全質問項目に回答のあった530部を分析対象とした。項目分析の結果に基づき,合計30項目を削除し,40項目を選択した。因子分析の結果,10下位尺度を反映した10因子が適切に抽出された。また,尺度のクロンバックa信頼性係数は,尺度全体が0.95,各下位尺度が0.70から0.89であった。教授活動自己評価尺度-看護技術演習用-は,信頼性,構成概念妥当性を概ね確保しており,実用可能である。尺度の活用は,ファカルティ・ディベロップメントを支援し,看護技術演習における教授活動の質の維持・向上,実践能力を備えた看護職者の育成に貢献する。The purpose of this sutdy was to develop the Self-Evaluation Scale of Teaching Behaviors in Nursing Skills Laboratories. This study had four phases: a) item generation using the findings of qualitative and inductive research, b) assessment of content validity and refinement of the scale by a panel of experts and a pilot study, c) item analysis and selection through a survey, and d) evaluation of the scale's validity and reliability. A five-point Likert scale was used, comprising 70 items classified into ten subscales using ten concepts of teaching behaviors in nursing skills laboratories. Survey forms were mailed to 1269 faculty members of 179 randomly sampled nursing schools. In all, 607 (46.8%) scales were returned, and 530 valid datasets were analyzed. From the data, 40 items were selected based on results of an item analysis. A factor analysis of the 40 items properly extracted 10 factors that were reflective of the 10 subscales. Chronbach's alpha of the scale was 0.95 and Chronbach's alphas of the ten subscales ranged from 0.70 to 0.89. The results indicate that this scale possesses good construct validity and high internal consistency reliability. It is useful to assess the quality of teaching activities and support faculty development.
- 千葉看護学会の論文
- 2006-06-30
著者
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