看護技術演習における学習の最適化に必要な教授活動の解明 : 目標達成場面・未達成場面の学生・教員間相互行為を構成する要素の比較
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概要
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本研究は、看護技術演習における目標達成場面・未達成場面の学生・教員間相互行為を構成する要素と両場面の相違を解明し、考察を通して学習の最適化に必要な教授活動を明らかにすることを目的とする。第1に、看護概念創出法を適用し、看護技術演習における「学生行動を表す12概念」「教員行動を表す10概念」を創出した。第2に、看護技術演習における学生・教員間相互行為場面の中から目標達成場面・未達成場面を抽出し、第1段階の成果を用いて分析した結果、学生・教員間相互行為を構成する22の要素が明らかになった。また、それらの要素を比較した結果、目標達成場面のみに存在する10要素、目標未達成場面のみに存在する3要素、両場面に共通して存在する9要素が明らかになった。考察の結果は、演習目標の達成に向かう学生・教員間相互行為が、多くの場合、「目標達成過程」「問題解決過程」という同時並行的に進行する2つの過程を有し、学習の最適化に向け、これら2過程を推進すると共に、目標達成場面のみに存在した10要素を意識しつつ相互行為を展開する必要があることを示唆した。また、授業案作成時の目標設定および授業過程を通した目標の確認と共有、形成的評価の重要性を示唆した。さらに、演習目標の達成過程に生じる問題の構造を見抜き、その解決を目指しつつもそれに終始することなく、解決後は目標達成へと思考を転換する必要性を示唆した。
- 日本看護教育学学会の論文
- 2008-03-31
著者
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