看護学実習における学生とクライエントの相互行為に関する研究 : 学生の行動に焦点を当てて
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概要
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本研究の目的は、看護学実習において学生がクライエントと相互行為を展開する場面に焦点を当て、学生の行動を表す概念を創出し、その学習活動の特徴を考察することである。研究方法論として看護概念創出法を適用し、参加観察法により、学生がクライエントと展開する相互行為場面をデータとして収集した。持続比較分析の結果は、クライエントと相互行為を展開する際の学生行動が14概念によって表されることを明らかにした。それは、【学習資源活用による技術提供と活用不可による技術提供中断】【技術提供円滑化に向けた協力獲得と未獲得による技術提供不可】【技術の未熟さ自覚によるクライエントへの苦痛惹起懸念と懸念払拭】【技術提供不適切さの修正と修正不可による技術提供中断・強行】【失敗反復によるクライエントからの疑念容認と疑念打破に向けた失敗の否定】【クライエント行動変化解釈による関係悪化察知と黙殺】【クライエント承諾獲得による技術提供とプライバシー配慮による技術提供機会喪失】などである。これらの概念は、学生の多くが援助を失敗したり、中断したりすると共に、クライエントとの関係悪化を察知するという事態に直面していることを示す。これらは、クライエントを面前にして生じているため、青年期にある学生にとって内的な葛藤、社会からの承認の喪失に移行し、同一性拡散の危機にも結びつく重大な問題となることを示唆した。
- 日本看護教育学学会の論文
- 2009-03-31
著者
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