看護学実習カンファレンスにおける教授活動

概要

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本研究の目的は、看護学実習カンファレンスにおける教員行動を説明する概念を創出し、その教授活動の特徴について考察することである。研究方法論には看護概念創出法を適用し、参加観察法(非参加型)によるデータ収集を行った。観察対象は、看護実践と実習カンファレンスの両授業形態を含む看護学実習の全過程であり、このうち実習カンファレンスにおける教員と学生の相互行為場面をデータとして収集した。持続比較分析の結果、6概念を創出した。6概念とは、【I.教授技術複合活用による看護現象解説と原理への統合】【II.目標達成状況査定による教授方略の維持と転換】【III.目標達成度向上のための学生個別体験の共有化】【IV.問題発生回避による学習過程円滑化】【V.実習過程掌握による学生感情への共感】【VI.疲労・緊張への配慮による学習停滞の黙認と打破】である。このうち、I、II、IV、Vは看護実践場面と共通する教授活動であり、教員は実習カンファレンスにおいても看護実践場面と同様の教授活動を継続し、実習目標達成を目指していることを示す。また、III、VIは、実習カンファレンスに特徴的な教授活動であり、教員が看護学実習という授業の特徴を熟知し、多様な配慮をしつつ、異なる体験を持つ複数の学生が共通の実習目標を達成できるよう支援していることを示す。以上は、授業としての看護学実習が看護実践場面とそれに続く実習カンファレンスにおける教授活動によって成立し、実習カンファレンスにおける教授活動が実習目標達成に向け必要不可欠であることを表す。
日本看護教育学学会の論文
2003-03-31

看護学実習カンファレンスにおける教授活動

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