看護学実習における学生の「行動」と「経験」の関連 : 行動概念と経験概念のメタ統合を通して

概要

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本研究の目的は、看護学実習中の学生の「行動」と「経験」の関連を解明し、実習目標達成に向けた教授活動を考察することである。まず、看護概念創出法を適用して、実習中の学生経験を表す11概念を創出した。次に、メタ統合を用いて、これら11概念と学生行動を表す7概念1つずつの組み合わせを比較・検討した。その結果、次の4点が明らかになった。それは1)行動概念と経験概念の中には同質の概念が存在し、これらをうみ出した現象は同質である、2)行動概念と経験概念の中には異質の概念が存在し、これらは異質であるにも関わらず、それぞれをうみ出した現象は同質である、3)原因と結果の関係を示す行動概念と経験概念が存在する、4)固有の現象からうみ出された固有の経験概念が存在し、この現象は行動概念をうみ出したデータには存在しない、である。考察の結果は、「学習資源の量と目標達成度の関連を表す現象が、資源調達方法修得の教材となること」、「学生は他者の状況に合わせて相互行為を展開しなければならない現象を否定的に知覚しやすいため、教員はその現象に対する学生の知覚を把握する必要があること」、「模範となる看護師と関われる機会の提供が、学生の看護職選択への価値づけを生じる可能性が高いこと」、「学生の内面には行動に示さない知覚が存在するため、教員はこの知覚の把握に向けて学生と意思の疎通できる関係を形成する必要があること」などを示唆した。
日本看護教育学学会の論文
2006-03-31

看護学実習における学生の「行動」と「経験」の関連 : 行動概念と経験概念のメタ統合を通して

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