急激な肝うっ血によりLDH_5の陰極側に出現したLDHアイソザイム過剰分画の4例
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概要
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血清LDHアイソザイム検査で,LDH_5の著増とその陰極側の過剰分画の出現を認めた急性心不全の4症例を経験した。同時に測定したLDH総活性値は著明に増加していた。4人の患者はいずれも過剰分画の出現した当日ないし直後に死亡した。症例1および症例4は心筋梗塞によるショックをきたし,症例2は完全房室ブロックに対しペースメーカーを植え込んでいたが,脳幹硬塞を起こし,また症例3は慢性腎不全のため通院中であったが,心室細動を起こし死亡した。症例1および症例2において剖検が行なわれ,両者共に著明な肝うっ血が認められた。これら4症例のLDHアイソザイム過剰分画は,高度のうっ血により障害された肝細胞から血中に逸脱したアルコール脱水素酵素によるNothing dehydrogenaseと考えられた。以上のことからLDHアイソザイムの最も陰極側の過剰分画の出現は患者の予後不良を示唆し,臨床的に意義があると考えられる。
- 北里大学の論文
- 1979-08-31
著者
-
岡部 治弥
北里大学医学部・内科学
-
柴田 久雄
北里大学医学部・内科学
-
幾世橋 篤
北里大学医学部・内科学
-
幾世橋 篤
神奈川県立ガンセンター・内科
-
柴田 久雄
北里大学医学部内科学i
-
坂口 和子
北里大学医学部・生物化学系
-
高橋 章
大阪市立十三市民病院内科
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