北里大学病院13年間における膵癌(非手術症例110例)の臨床的検討

概要

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北里大学病院における膵癌症例は,昭和47年より昭和59年の13年間に190例であり,そのうち剖検にて診断された9例を含む非手術例110例を対象症例とし,診断,治療,予後に関して,臨床的検討を行った。年齢分布は,35歳より87歳までで,60歳台にピークがあり,平均年齢は61.7歳であった。性別では,男性66例,女性44例で,男性は女性の1.5倍であった。年度別症例数では,昭和52年以後の増加が見られている。腫瘍占拠部位別頻度は,約3分の1が体部で最も多く,続いて頭部,体尾部,尾部,頭体の順であった。転移に関しては,肝,肺,腹膜播種が多く認められた。治療としては化学療法,免疫療法,局注療法(Bleomicin,OK-432),放射線療法が,種々の組み合わせで施行された。その効果に関して,斎藤・小山班癌治療効果判定基準により検討したが,有効例は認められなかった。累積生存率は,3か月で35.5%,6か月で11.5%,12か月で3.4%,18か月で1.3%であった。50%生存期間は約2か月であった。
北里大学の論文
1988-12-31