北里大学病院における13年間の造血器悪性腫瘍の予後に関する検討

概要

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当院開院以来13年間に経験した造血器悪性腫瘍患者381例につき頻度,治療成績,予後等を検討した。急性白血病は145例で,治療成績は,次第に向上し,長期生存例も増加しているが,全体の50%生存期間は非リンパ性白血病160日,リンパ性白血病260日,1年生存率は,前者が23.6%,後者が28.6%である。Myelodysplastic syndromeは17例で,高齢者に多く,急性白血病に移行しやすく,移行後は治療抵抗性を示し,予後不良である。慢性骨髄性白血病は65例で,そのほとんどが3〜4年の慢性期を経て急性転化状態となるが,急性転化後の予後は不良で,平均生存期間は,5.6か月である。悪性リンパ腫は86例で,1980年以降患者数は増加傾向にあり,治療成績も向上している。50%生存期間は非ホジキンリンパ腫1.7年,ホジキン病1.2年,5年生存率は前者が31%,後者が29%である。骨髄腫は59例で,高齢者に多く,慢性に経過し,Bence-Jones蛋白陽性例は陰性例に比べ予後が悪い。
北里大学の論文
1988-06-30