異型性を伴ったポリープを認めたPeutz-Jeghers症候群の1例

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概要

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症例は27歳女性。上腹部痛にて来院。腹部所見より結腸の重積症を疑い緊急開腹術を施行。開腹時,空腸と回腸末端部にpolypoid lesionを認め,重積状態となっていたためポリープを含めた小腸切除術を施行した。空腸のポリープは山田IV型で表面は比較的平滑であったが,回腸のポリープは,広基性で表面も凹凸が目だった。組織学的には,空腸のポリープはhamartomaの像を呈しており,異型細胞を認めなかったが,回腸のポリープは,hamartomaの一部に腺腫像のない異型腺管を認めた。患者は口唇,口腔粘膜,両側の指先に色素斑を認め,この特徴的な色素斑と小腸ポリープの組織像より,Peutz-Jeghers症候群と診断した。Peutz-Jeghers症候群の消化管ポリープは腺腫病変を介して癌に進展することが多いとされているが,本症例の回腸ポリープは,hamartomaから直接異型腺管が出現し,癌化する可能性もあると考えられ注意が必要と思われた。
北里大学の論文
1993-04-30

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