再発例からみたS状結腸捻転症の治療法に関する検討

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概要

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過去23年間に経験したS状結腸捻転症の17例を臨床的に検討し,これらの治療成績と予後から今後の治療方針に関する考察を加えた。来院時,すでにS状結腸穿孔による汎発性腹膜炎の状態で緊急手術となった1例を除く16例には保存的治療を第一選択とし,10例(62.5%)は軽快したが,6例(37.5%)は軽快せず緊急手術となった。保存的治療(非観血的整復)が奏効した10例中8例は非手術のままで経過観察とし,2例には待期的に手術を施行した。なお,経過観察となった8例中5例(62.5%)に保存的治療後2か月〜2年(平均9か月)の経過で再発を認めた。入院死亡の4例はすべて緊急手術例であったことから,非観血的整復をまず試み,できるだけ緊急手術は回避すべきである。さらに,保存的治療が奏効しても素因としてS状結腸過長症を認めた症例では非観血的整復後の再発が多かったことから,全身状態の改善を図った上で待期的に安全な根治手術を施行すべきと考える。
北里大学の論文
1996-12-31

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