腎移植の長期予後に関わる諸因子の臨床的検討

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
1972年から1981年までの間に北里大学病院で行なわれた腎移植症例158例について,小児例,死体腎例を除いた成人生体腎は109例である。このうち10年以上生着した30例(長期生着例)を対象,10年未満生着例の79例(非長期生着例)を対照に選び,長期生着を規定する諸因子,すなわち早期腎機能,拒絶反応の有無,組織適合性,合併症の有無等について両群間で比較検討した。本研究の結果,術後1年までの拒絶反応回数が有意に少なく,かっ腎機能が良好である事が,移植腎長期生着をきたす上で最も重要である事が示された。また,組織適合性の重要性も再確認された。合併症に関しては,感染症,特に真菌症や,ウイルス感染症等の日和見感染,及び消化管出血が問題となった。また,移植後5年以後に日本人に多い消化器系悪性腫瘍の発生が認められた。これらの合併症に対する対策が今後の重要な課題として明らかになった。
北里大学の論文
1992-02-29

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク