原発性肝細胞癌271例の累積生存率に基づく臨床的検討
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概要
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画像診断及び組織学的に診断した原発性肝癌(肝癌)271例について,累積生存率による臨床所見と治療効果を比較検討した。平均年齢は58.3歳で,男女比は4 : 1であった。HBs抗原陽性例は陰性例より6歳若く,検査成績上,血小板,γ-グロブリン,総コレステロール及びch-Eが正常に近い値を示した。初回入院時の検査結果では,ICGR_<15>が相関係数-0.35を示したが,ch-E,γ-グロブリンでは相関が見られなかった。一方,肝癌の生存率には種々の因子が関与していた。即ち,Child変法分類のC,B,Aの順に不良であり,腹水,門脈腫瘍塞栓が認められた場合には悪く,腫瘍占拠率と有意に相関した。また,AFP値は生存率に逆比例する傾向があった。治療効果に関しては,腫瘍の大きさが5cm以上の場合には肝動脈塞栓療法(transcatheter arterial embolization,TAE)が有効であったが,5cm以下の例では9か月後迄はTAEで,12か月後迄はエタノール局注療法で生存率の改善が得られた。以上,肝癌の生存率には背景因子である肝硬変の程度が多大に関与しており,また治療に当たっては個々の状態により方法を選択すべきであることが呈示された。
- 北里大学の論文
- 1988-12-31
著者
-
亀谷 徹
北里大学医学部病理学
-
亀谷 徹
北里大学医学部病理
-
亀谷 徹
北里大学 病理
-
岡部 治弥
北里大学医学部・内科学
-
柴田 久雄
北里大学医学部・内科学
-
柴田 久雄
北里大学医学部内科学i
-
石井 公道
北里大学医学部・内科学
-
新井 重紀
北里大学医学部・内科学
-
岡部 治弥
北里大 医
-
新井 重紀
北里大学東病院臨床薬理試験部
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