急性出血性胃潰瘍の病理学的研究

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概要

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胃からの急性の大量出血に対しては適切なる緊急な処置法の確立が望まれている。そのためには病態の十二分な把握が大切である。かかる観点から,急性出血性胃潰瘍53症例と正常胃9例をもとに病理学的な検索を行なった。(1)正常胃壁在動脈の血管構築は胃体部の前壁及び後壁に分布する左胃動脈分枝は血管口径は太くその分布密度は粗であるが,幽門腺領域と胃体小弯側では血管口径は小さく,密に分布し,全くことなる。(2)急性出血性胃潰瘍は急性胃潰瘍群と慢性胃潰瘍群に区別でき,前者は胃体部に好発し, U1-IIの潰瘍が殆どであるが,後者は胃角小弯に好発し,漿膜側の太い血管を潰瘍底にまき込み,その血管断裂が大量出血の原因であり,血管断裂の部位と大きさに両者の間で差がある。(3)急性胃潰瘍群と慢性胃潰瘍群に対する処置法は区別すべきと考える。(4)急性胃潰瘍は病理学的に惨出期,肉芽形成期および治癒期に区別される。
北里大学の論文
1981-08-31

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