実験的胃潰瘍におけるラット胃粘膜糖タンパク質の変動およびCetraxateの及ぼす影響

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概要

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消化性潰瘍の病態生理を生化学的側面から解析するために,ラットにアスピリンを投与し実験的胃潰瘍を作成して胃粘膜糖タンパク質の経時的変動について検討した。また,最近,注目されている潰瘍治療剤であるCetraxateと,胃粘膜糖タンパク質との関連についても検討し,次のような結果を得た。1)胃粘膜由来の高分子糖タンパク質画分は胃潰瘍発生に先立って減少し,修復過程にも先立って増加していることからgastric mucosal barrierの構成物質の一つとして重要な機能をはたしていると考えられる。2) Cetraxateはアスピリン潰瘍において,胃粘膜高分子糖タンパク質の量的な回復を促進させること,また単独投与において高分子糖タンパク質量を1.5倍以上に増加させることから,Cetrxateは胃粘膜内で糖タンパク質の生合成の促進,および蓄積をうながして胃粘膜を保護する作用を有するのではないかと考えられる。
北里大学の論文
1979-10-31

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