北里大学病院における早期胃癌の実態(第2報) : 診断過程を中心として

概要

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北里大学病院における早期胃癌の診断過程の実態を知る目的で,1981年から1985年までの5年間に経験した早期胃癌131例について検討を行なった。初回X線検査の存在診断率は76.8%で見落としは23.2% (19/82)にみられ,2cm以下の IIc 型でA領域および前壁の病変に多かった。性状診断率は36.6%で2cm以下の陥凹性病変と表層拡大型病変の性状診断が不十分だった。X線施行後の内視鏡検査では存在診断率98.8%,正診率48.8%で2cm以下の隆起性病変,1cm以下の陥凹性病変,表層拡大型病変の性状診断が不十分であり,部位ではC領域やM領域小弯の正診率が低かった。初回生検診断率は91.0%であった。初回内視鏡検査では存在診断率は93.9%,正診率は61.2%で1cm以下のIIc型,部位ではC領域の正診率が低く,初回生検診断率は93.2%であった。以上,存在診断率はX線と内視鏡を組み合わせた診断率が最も高かったが,正診率は初回内視鏡検査が最も良好だった。
北里大学の論文
1990-08-31