LECラット胸腺細胞におけるX線誘発アポトーシス高感受性(実験動物学)
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概要
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細胞間接触を機械的に妨げることによって胸腺細胞はアポトーシスを誘発することが知られている.LECならびにWKAHラット胸腺細胞をin vitroで37℃,0〜6時間培養し,アポトーシス細胞の割合をフローサイトメータで決定した.LECとWKAHラットの胸腺細胞共に培養時間に伴ってアポトーシスを誘発したが,その割合はLECラット細胞の方がWKAHラット細胞よりも有意に高かった.タンパク質合成阻害剤シクロヘキシミドがアポトーシスの誘発に阻害効果を示さないので,in vitro培養によって誘発されるアポトーシスは新たなタンパク質合成を必要としないことが示唆された.LECとWKAHラット胸腺細胞をin vitroで4および8Gy照射した時,両ラットの胸腺細胞共に照射後の培養時間に伴ってアポトーシスを誘発したが,LECラット胸腺細胞のアポトーシス誘発率は培養2および4時間後でWKAHラット細胞よりも有意に高かった.胸腺細胞をシクロヘキシミド存在下でX線照射した時には両ラット胸腺細胞共に放射線誘発アポトーシスはほぼ完全に抑制された.従って,両ラット胸腺細胞の放射線誘発アポトーシスにおいては新たなタンパク質合成が必要であることが示唆された.本研究の結果はLECラット細胞がWKAHラット細胞よりもin vitro培養時ならびに放射線誘発アポトーシスに対して高い感受性を有することを示した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2002-07-25
著者
-
遠藤 大二
酪農学園大学獣医内科学放射線獣医学教室
-
有川 二郎
北海道大学大学院獣医学研究科公衆衛生学教室
-
奥井 登代
北海道立衛生研究所
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部獣医学科獣医放射線生物学ユニット
-
有川 二郎
北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設
-
有川 二郎
北海道大学医学部附属動物実験施設
-
有川 二郎
北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設(大学院比較医学講座)
-
永田 仰
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
遠藤 大二
酪農学園大学獣医学部獣医学科獣医放射線生物学ユニット
-
遠藤 大二
酪農学園大学 放射線
-
有川 二郎
北海道大学 大学院医学研究科微生物学講座
-
Arikawa J
Hokkaido Univ. Sapporo Jpn
-
Endoh D
Rakuno Gakuen Univ. Hokkaido Jpn
-
遠藤 大二
酪農学園大 獣医
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部
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