マレツク病ウイルスのBamHI-H遺伝子ファミリーに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドはMDCC-MSB1細胞の細胞周期をS期に停止させる
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概要
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BamHI-H遺伝子ファミリーに相補的なアンチセンスオリゴヌクレオチドA1によってマレック病ウイルス(MDV)由来MDCC-MSB1細胞のDNA合成は効果的に抑制された. 細胞周期の分布をフローサイトメーターで解析したところ, 非処理の対象細胞ではS期の細胞の割合は20-30%であるのに対して, オリゴヌクレオチドA1処理によってS期の細胞の割合は増加し, 処理後24と36時間で約60-70%の細胞がS期に存在した. オリゴヌクレオチドA1処理による細胞周期の進行の抑制は可逆的であった. 5μMのアフィデイコリンでMSB1細胞を12時間処理した時にオリゴヌクレオチドA1処理後得られたのと類似した細胞周期の分布のパターンが観察された. アフィデイコリンは細胞のDNAポリメラーゼα阻害剤で, 細胞周期をG1/Sの境, またはS期の初期で停止させる. 細胞をアフィデイコリンで12時間処理した後, オリゴヌクレオチドA1で処理した場合には細胞周期はオリゴヌクレオチドの存在の有無に関わらずに進行した. 対照的にオリゴヌクレオチドA1で12時間処理した後に, アフィデイコリンを処理した場合には細胞周期はG1/Sの境, または, S期の初期から進行しなかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1999-04-25
著者
-
奥井 登代
北海道立衛生研究所
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部獣医学科獣医放射線生物学ユニット
-
荒井 惣一郎
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
荒井 惣一郎
酪農学園大学放射線獣医学教室
-
河村 千里
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
赤池 洋
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部
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