複製の抑制はLECラット由来線維芽細胞株に非アポトーシス性の細胞死を導く
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概要
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抗癌剤,ヒドロキシウレア(HU)はリボヌクレオシド2リン酸レダクターゼの阻害剤で細胞内のデオキシリポヌクレオチド3リン酸(dNTP)プールを減少させ,結果としてDNA複製を抑制する。HUの細胞毒性効果をLECラット由来線維芽細胞株を用いて検討した。LEGラット細胞は対照のWKAHラット細胞株と比較してHUに対して有意に高感受性であった。HU処理の有無に関わらず,LECとWKAHラット細胞でアポトーシスの誘発率に有意差は認められず,LECラット細胞の高いHU感受性はアポトーシスの誘発に起因しないことが示された。LECラット細胞はDNAポリメラーゼαを阻害することでDNA合成を抑制するアフィディコリンに対してもWKAHラット細胞よりも有意に高い感受性を有し,LECラット細胞のHU高感受性は細胞内のdNTPプールの減少ではなく,DNA複製抑制効果に起因することが示唆された。LECとWKAHラット細胞共にHU処理直後にp53タンパク質の強いバンドが出現した。P53タンパク質の高い発現レベルはWKAHラット細胞ではHU処理後6時間まで持続したが,LECラット細胞の場合には処用後6時間で減少した。HU存在下または非存在下で細胞をX線照射した際に,HU存在下でX線照射した場合の生存率と非存在下で照射した場合の生存率との比はWKAHラット細胞の場合には照射してもほとんど増加せず,一定の値を示したが,LECラソト細胞の場合には線量に依存して有意に増加した。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
遠藤 大二
酪農学園大学獣医内科学放射線獣医学教室
-
奥井 登代
北海道立衛生研究所
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部獣医学科獣医放射線生物学ユニット
-
浜州 拓
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
浜洲 拓
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
下嶋 玲子
酪農学園大学獣医学部放射線獣医学教室
-
遠藤 大二
酪農学園大学獣医学部獣医学科獣医放射線生物学ユニット
-
遠藤 大二
酪農学園大学 放射線
-
Endoh D
Rakuno Gakuen Univ. Hokkaido Jpn
-
遠藤 大二
酪農学園大 獣医
-
林 正信
酪農学園大学獣医学部
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