破壊的局所分析法の多元素同時測定による定量精度の向上

概要

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ガリウム収束イオンビーム(Ga-FIB)二次イオン質量分析(SIMS)法に基づく微粒子定量分析を例にとり,破壊的局所分析法における分析不確かさの要因とその寄与について検討した。また,マルチチャンネル並列検出システムを用いた多元素同時測定を行うことにより,従来の単チャンネル検出システムを用いた場合と比較して,どの程度の分析信頼性の向上が見込めるかを評価した。これらの検討は,微粒子状のNISTガラス標準物質の中から大きさ数μm程度の微粒子を選び出し,定量性の高いshave-off分析法により分析した値を用いて行った。この結果,Ga-FIB SIMS法に基づく微粒子定量分析における分析不確かさは4.5%と見積もられた。一方,磁場強度を切り替えながら複数元素を非同時測定した場合の分析不確かさ,すなわち単チャンネル検出システムを用いた際の分析不確かさは12.9〜19.6%であった。したがって,多元素同時測定を行うことにより12.1〜19.1%の分析信頼性の向上が見込めることが明らかとなった。
社団法人日本分析化学会の論文
2000-08-05