p-オキシ安息香酸アルキルエステルの抗微生物作用特性について
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概要
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p-オキシ安息香酸アルキルエステル(メチルよりオクチルエステル)について抗菌作用特性について検討を加えた. 対象とした微生物は酵母, かび, 細菌約20菌株であるが, アルキル側鎖の炭素原子数のある範囲内で対数則が成立することを認めた. この場合, 酵母に対してはC_7,かびではC_<5-6>, 細菌ではC_8の鎖長で最高の抗菌作用を示した.Candida utilisを対象とした場合, 加熱による死滅に対してエステル類は促進作用を示すが, この場合にもアルキル側鎖が長い程作用力は増大し, エステルの静菌作用力の上昇とほぼ同じ傾向が認められた. ヘプチルおよびオクチルエステルは5〜20ppmという低濃度で抗火落作用を有することを, 標準火落菌についても, また新たに分離した多数の火落菌についても認めた. そして抗火落作用に対する酒質, アルコール濃度, pH, 接種火落菌数の影響についても検討を加えた.以上の結果より, p-オキシ安息香酸の高級エステルは, 現在汎用されている低級エステルよりは遥かにすぐれた食品防腐剤であるとういうことができる. しかし水や稀薄アルコール溶液に対する溶解度の低いこと, 酵素分解, 食品成分による抗菌作用力の低下など将来の検討にまつべき点も多い.
- 1969-03-25
著者
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