薬剤抵抗性絨毛癌継代ヌードマウスを用いた実験化学療法
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概要
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薬剤低抗性絨毛癌の予後改善を目的として人絨毛癌組織をヌードマウスに継代移植し, これによる実験的化学療法を試みた.実験腫瘍は, CC-I-JCK(JCK)とCC-HM-I(HM)の2系列である.これにmethotrexate(MTX), actinomycin D(ACD), cyclophosphamide(CPM), vincristine(VCR)の単剤および併用投与について検討した.1.単剤投与による効果:JCKではCPM, VCR投与群に有意に腫瘍増殖抑制効果が得られ, 組織学的にも核の融合, 膨化, 崩壊等が著明に見られた.HMでは腫瘍増殖抑制効果はほとんど見られたかつたが, CPM, VCR投与群では組織学的に軽度核の融合, 膨化等が見られた.2.併用投与による効果:JCKでは無処置帯<MTX+ACD<MTX+CPM<MTX+ACD+CPM<ACD+CPM<ACD+CPM+VCRの順に腫瘍増殖抑制効果が得られ, ACDとCPMを併用した群においては腫瘍の完全消失が見られた.ACD+CPMでは100%の生存率が得られたが, ACD+CPM+VCRでは腫瘍抑制効果は最も大であつたが, 生存率は約30%であつた.HMでは, 無処置群<MTX+ACD<ACD+CPM<MTX+ACD+CPM<MTX+CPM<MTX+CPM+VCRの順に腫瘍増殖抑制効果が得られたが, 腫瘍完全消失には至らなかつた.3.腫瘍提供患者における化学療法の効果をretrospectiveに検討すると本実験化学療法の結果とほぼ合致している事が判明した.以上, 本実験モデルを用いた化学療法の検討は薬剤低抗性絨毛癌に対する合理的化学療法の確立に有用な事が示唆された.
- 社団法人 日本産科婦人科学会の論文
- 1981-12-01
著者
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
小林 治
千葉大学医学部産婦人科
-
時田 尚志
千葉県がんセンター動物管理室
-
時田 尚志
千葉がんセンター
-
時田 尚志
八街総合病院
-
石毛 英男
千葉大学医学部第一外科学教室
-
田中 昇
Bml病理細胞診センター(pcl)
-
田中 昇
千葉がんセンター研究所
-
加藤 孝子
千葉大学医学部産婦人科学教室
-
石毛 英男
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
加藤 孝子
千大
-
加藤 孝子
千葉大
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