子宮内膜癌のhigh risk factorの解析 : 尿中性ステロイドの排泄異常
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概要
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無排卵ラット(ASR)に実験的子宮内膜癌を自然発生せしめ,その内分泌環境として24時間尿中性ステロイドの排泄動態を正常対照ラット(NR)と比較検討し,以下の結果を得た.1)100日齢ASRのandrosterone,etiocholanolone,dehydroepiandrosteroneの24時間尿中排泄量は100日齢NRよりも有意に高値とたるも,500日齢ASRは100日齢ASRの約1/40〜1/6となり,500日齢NRに比し,有意に低値となった.500日齢ASRの11 deoxy 17ketosteroidsの総排推量は73.4μg/dayでNRの約1/3であった.2)500日齢ASRの11 hydroxyandrosterone11 ketoandrosterone,11 ketoetiocholanoloneの24時間尿排泄量は500日齢NRに比し,減少傾向が認められ11 ketoetiocholanoloneは有意に低値となった.500日齢ASRの11 oxy 17ketosteroidsの総排泄量は54.1μg/dayであり,500日齢NRの約2/5であった.3)500日齢ASRの17 ketosteroidの総排泄量は127.5μg/dayで,NR344.8μg/dayに比し約1/3であった.4)100日齢ASRのtetrahydrocortisol(THF),tetrahydrocortisone(THE),tetrahydrocorticoster one(THB)の24時間尿排泄量は100日齢NRに比し,THF,THBで有意に高値を示した.500日齢ASRはNRに比し,THF,THE高値,THB低値とたった.THF,THE,THBの合計総排泄量は100,500日齢ASRは夫々318,244μg/dayであり,NRに比し,夫々1.28,1.24倍であった.以上の結果よりアンドロゲンの代謝異常はASRの子宮内膜癌発生過程におけるhighriskfactorsの1つと考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1984-07-01
著者
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
森川 真一
千葉大学医学部産科婦人科学講座
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産科婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
内藤 正文
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
内藤 正文
川崎製鉄千葉病院産婦人科
-
内藤 正文
千葉大学 産婦人科
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