初期子宮頚癌治療基準の設定

概要

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初期子宮頚癌に対する適切な術式の選択には診断基準をより確実にすることが必要である.新しい治療基準を規定し,術前術後の診断および治療法を検討した. 1) 昭和49年1月から50年6月までの1年半に入院手術治療を行つた子宮頚癌患者130例のうち初期癌は83例(0期57例,Ia期26例)63.8%であつた. 2) 初期癌の治療にあたり,外来組織診に細胞診所見を加えた治療基準を呈示した. 3) 術前診断と術後診断とを対比すると狙い切除診のみの正診率は0期57例中38例66.7%であつたが,細胞診を加えると42例73.7%に上昇,Ia期26例では16例61.6%より20例76.9%と上昇した. 4) 治療基準に従い手術した結果,術式選択が適中していたものは0期で57例中37例64.9%,Ia期では26例中16例61.5%であつた.またundertreatmentと考えられたもの83例中7例8.4%,overtreatmentと考えられたものは23例27.7%である. 5) 広汎性全適,準広汎性全適,単純性全適の術後経過について比較検討した.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1976-11-01