2種の絨毛癌細胞株の性格とMethotrexateに対する感受性
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概要
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2種の絨毛癌培養細胞株(BeWoおよびHCCM-5)の性質を,MTXに対する感受性およびMTX処理によるhCG放出の変化を中心に比較し,さらにMTX耐性機構の解明を試みた.In vitroおよびハムスター頬嚢移植後腫瘍の形態,hCG産生は両株で殆ど差が無かった.In vitroのMTX処理による核酸および蛋白前駆物質の取り込みは,両株ともMTXに濃度依存性に低下したが,HCCM-5株はBeWo株に比較して低濃度のMTX処理で核酸および蛋白合成が阻害された.^3H-thymidineの取り込みに関しては,HCCM-5株は10^<-8>MMTX48時間処理で約40%に低下するのに対し,BeWo細胞は10^<-6>Mの高濃度で60%に低下した.よってHCCM-5細胞はBeWo細胞よりもMTXに対して感受性が高いと考えられた.MTX処理によるhCG放出の変化は,BeWo株においては,MTXが高濃度になるに従い培養液中に放出されるhCG-βは低下するのに対し,hCGは低下しなかった.HCCM-5株では,低濃度MTX(10^<-9>M以下)ではhCG,hCG-βともに低下したが,高濃度MTX(10^<-8>M以上)ではむしろ回復した.MTX耐性機構を解明するために両株細胞のdihydrofolate reductase(DHFR),^3H-MTX取り込みを比較した.細胞内DHFR活性は,BeWo株ではHCCM-5株の約2倍であった.^3H-MTXの細胞内取り込みは両株とも添加後120分にほぼ最大値に達し,HCCM-5細胞がBeWo細胞の約4倍であった.従って,細胞内DHFRの増加,MTX取り込みの低下が両細胞のMTX感受性の相違の原因と考えられた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1983-01-01
著者
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
稲葉 憲之
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部産婦人科
-
高見沢 裕吉
千葉大学医学部
-
小林 治
千葉大学医学部産婦人科
-
関谷 宗英
千葉大学医学部産婦人科
-
石毛 英男
千葉大学医学部第一外科学教室
-
城武 昇一
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
城武 昇一
千葉市立病院薬剤部
-
城武 昇一
千葉大学医学部産婦人科
-
加藤 孝子
千葉大学医学部産婦人科学教室
-
石毛 英男
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
石毛 英男
上都賀総合
-
加藤 孝子
千大
-
海寶 てる代
千葉大学医学部産婦人科学教室
-
海宝 てる代
千葉大学医学部産科婦人科学教室
-
加藤 孝子
千葉大
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